富士山 登山 初心者 装備は、何をそろえるべきか悩みますよね。
登山靴やザックといった基本の道具から、トイレ対策や睡眠対策といった細かな部分まで、用意すべきものは意外と多いものです。
この記事では、富士山登山で初心者の装備として実際に役立ったアイテムを、経験者の視点から分かりやすく紹介しています。
「これを持って行って本当によかった!」と感じた道具ばかりなので、装備の準備がまだの方には特に参考になるはずです。
さらに後半には、富士山登山で初心者の装備をひとつずつチェックできる持ち物リストも掲載しています。
これから登山を計画しているあなたに、安心と備えを届ける内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
富士山登山初心者に必要な装備とは?
富士山登山初心者に必要な装備とは?その答えを、できる限り丁寧にお伝えしていきます。
①登山靴はミッドカット以上が鉄則
富士山の登山道は、舗装されているわけではありません。
ゴロゴロした溶岩や、サラサラと滑る火山砂利の道が続いています。
そんな環境でスニーカーのような軽装で挑むと、途中で足を痛めたり、靴が壊れてしまうことも珍しくないんです。
選ぶべきは、ミッドカットかハイカットの登山靴。
「ミッドカット」とは、くるぶしをやや覆う高さの靴のことを指します。
普通のスニーカー(ローカット)は足首がむき出しになりますが、ミッドカットは足首までをサポートしてくれるため、ねんざやひねりを防ぐのに効果的なんです。
ハイカットはそれよりさらに上、足首全体をしっかりホールドするタイプで、より安定感を重視する方に向いています。
足首の柔軟性や、登山経験の有無によって選ぶといいですね。
靴底も厚みがあってグリップ力のあるものが理想。
富士山のように標高が高く、標準的な登山道でありながらも砂利と岩が多く、下山では足への衝撃が大きくなるルートでは、ミッドカット以上の靴が最適です。
トレッキングシューズの中でも、「富士山対応」と明記された靴を選ぶと安心ですよ。
初心者が選びやすい定番モデルとしては、モンベル、キャラバン、サロモンなどのメーカーから出ている軽量かつ耐久性の高いミッドカットシューズが人気です。
購入時には、自分の足にしっかりフィットするサイズを選ぶことも大切です。
履き慣らしていない新品の靴で挑むのは避けて、何度か歩いてみてから本番に使うようにしてくださいね。
▼まとめ:富士登山に適した登山靴のポイント
サイズフィット&履き慣らし:靴擦れ・痛み対策には必須
ミッドカット以上:足首をサポートし、ねんざ防止に効果的
グリップ力のあるソール:砂利道や火山砂に対応
通気性+防水性:足蒸れと雨・朝露対策の両立
富士山向けモデル:メーカー推奨の専用モデルも安心

②レインウェアは上下セパレートタイプで
富士山では、天気が驚くほど変わりやすいんです。
ふもとで晴れていても、標高が上がるにつれて急に雨や強風に見舞われることも少なくありません。
そのため、レインウェアは必ず持参してください。
おすすめは上下に分かれたセパレートタイプの登山用レインウェア。
「防水透湿性」のある素材を選ぶことがとても大切です。
これは、外からの雨はしっかり防ぎながら、内側の汗の蒸気は外に逃がす性質のこと。
蒸れにくく、長時間の登山でも快適さを保てます。
では、どんな数値を目安にすればいいのかというと──
- 防水性(耐水圧)は 20,000mm以上
- 透湿性は 10,000g/m²/24h以上
これくらいの性能があると、富士山のような高地でも安心です。
ちなみに耐水圧20,000mmというのは、バケツをひっくり返したような豪雨でも水を通さないレベル。
これより低い数値だと、大雨や強風には耐えきれない場合もあります。
登山用のレインウェアは少し値が張りますが、安全には代えられません。
街用の雨合羽やビニール製ポンチョは、風にあおられて破れやすく、登山ではまったく役に立たないことが多いんです。
富士山は風も強いため、フードにドローコードがあるタイプ、袖や裾がしっかり絞れるタイプが理想的です。
雨に濡れて体温が下がると、低体温症にもつながるので、レインウェアは「命を守る装備」と言っても過言ではありません。
▼まとめ:レインウェア選びのポイント
- 上下セパレート式:ズボンも必ず必要
- 耐水圧20,000mm以上/透湿性10,000g/m²/24h以上:富士山の環境に適応
- フード・袖・裾に調整機能:風雨の侵入を防ぐ
- 軽量・コンパクト収納:ザックの中でかさばらない
- 信頼できる登山ブランド製を選ぶ:長持ちしやすく安心
③防寒着はダウンやフリースでしっかり準備
富士山は夏でも、山頂では氷点下近くまで冷え込むことがあります。
特にご来光を待つ時間帯は、風が吹くと体感温度はさらに下がり、体が芯から冷えてしまうんです。
登山口と山頂では、昼間でも約9℃、夜間では13℃以上の気温差があるとも言われています。
そのため、防寒対策は欠かせません。
具体的には、ダウンジャケット、フリース、厚手のインナー、セーターなどを重ね着できるように準備しましょう。
さらに忘れてはいけないのが、手袋・ニット帽・ネックウォーマーなどの小物類。
風が直接当たる場所を守るだけで、寒さの感じ方が大きく変わります。
そして、もうひとつ。
「レスキューシート(サバイバルシート)」という軽くて薄い金属製のシートも、非常用としてぜひ持っていきたいアイテム。
これは、体から出る熱を逃がさず包み込むことで、一時的に体温を保つことができるという優れものです。
もし寒さに耐えきれないときや、動けなくなってしまったときには──
- 体に巻きつけて、風を防ぐように密着させる
- 足元から上半身までしっかり覆う
- 地面からの冷気を遮断するよう、下にも敷くとより効果的
という使い方がおすすめです。
500円前後で手に入る軽量な装備ですが、命を守ってくれる大切な存在。
万が一に備えて、ザックのポケットに入れておいてくださいね。
▼まとめ:防寒対策として準備したい持ち物リスト
- ダウンジャケット:軽量で高い保温力、朝晩の冷え込みに対応
- フリースやセーター:重ね着できる中間着として便利
- 厚手のインナー:吸湿発熱素材やウール素材が理想
- 手袋・ニット帽・ネックウォーマー:冷風から末端を保護
- レスキューシート(サバイバルシート):非常時の防寒・体温保持に
- 替えの防寒小物:濡れた時や予備としてもう1セットあると安心
④ヘッドランプと予備電池は必携
富士山でご来光を見るなら、夜中のうちから登山道を歩くことになります。
そして、夜の山は想像以上に真っ暗。
街灯なんて一切なく、月明かりさえなければ、手元も足元も見えないほどです。
だからこそ、ヘッドランプ(ヘッドライト)は絶対に必要な装備です。
手持ちの懐中電灯では登山には向きません。
両手を自由に使えるヘッドランプでなければ、安全な歩行はできませんからね。
そして、選ぶときには「明るさ」と「重さ」をよく確認してください。
目安としては──
性能項目 | 推奨数値・目安 |
---|---|
明るさ(ルーメン) | 200〜300ルーメン以上 |
重さ | 100g前後(電池込み) |
電源 | 乾電池式またはUSB充電式(+予備電池) |
防水性 | IPX4以上(雨天でも使用可能) |
登山中に使用するなら、300ルーメン程度あると安心です。
これくらいの明るさがあれば、広範囲をしっかり照らせるので、段差や岩場でも足元がよく見えます。
また、明るさの調整機能や点滅モードがあると、緊急時にも役立ちます。
【おすすめモデル例】
商品名 | 明るさ | 重さ | 特徴 |
---|---|---|---|
PETZL(ペツル) TIKKA | 約300lm | 約94g | 登山用定番。USB+電池兼用。シンプルで軽量。 |
Black Diamond Spot 400 | 約400lm | 約78g | 防水性◎・多機能・コスパよし |
LED LENSER NEO 1R | 約250lm | 約39g | 超軽量。シニアや女性にもおすすめ |
ヘッドライトを購入する際に注意したいのは、激安の粗悪品。
見た目が似ていても、防水性が不十分だったり、すぐにバッテリーが切れるものもあります。
価格が極端に安いものは避けて、登山用品店や信頼できる通販で選ぶのが安心です。
加えて、必ず予備の電池やモバイルバッテリーも持参してください。
ヘッドランプの明かりが切れた状態で夜の山を歩くのは、本当に危険です。
そして、忘れがちですが軽さもとても大切なポイント。
特に高齢の方には、軽くてシンプルに操作できるモデルが使いやすくて安心ですよ。
⑤ザックとレインカバーで荷物を守る
富士山に登るなら、背中に背負うバッグ――つまり「ザック」も、街用のリュックとはまったく別物なんです。
タダのリュックでは、重さに振り回されてバランスを崩したり、肩や腰に大きな負担がかかってしまいます。
登山に使うなら、必ず登山専用ザック」を選びましょう。
登山用のザックには、以下のような機能が備わっていて、安全で快適な歩行を支えてくれます。
【登山用ザックに必須の機能】
機能名 | 説明 |
---|---|
ウエストベルト(ヒップベルト) | 腰に荷重を分散し、肩への負担を軽減。坂道でも安定して歩ける。 |
チェストベルト | 背負っているときにザックが左右に揺れるのを防ぎ、身体と密着させる。 |
背面パッド&通気構造 | 長時間背負っても蒸れにくく、背中のラインにフィットする設計。 |
荷重調整ストラップ(ロードリフター) | ザックの重心を背中に引き寄せて、疲れにくい姿勢をキープできる。 |
複数のポケットとアクセス口 | 小物や水、雨具をサッと取り出せる。 |
容量としては、30~40リットルのザックが富士登山にはぴったり。
防寒着やレインウェア、飲み物などを入れても余裕があるサイズです。
中でも、背面がメッシュ構造になっていて通気性が高いタイプは、夏の蒸れも軽減してくれておすすめです。
【おすすめモデル例】
商品名 | 容量 | 重さ | 特徴 |
---|---|---|---|
MYSTERY RANCH クーリー40 | 40L | 約1.7kg | 高耐久・収納力抜群・快適な背負い心地 |
patagonia テラヴィアパック36L | 36L | 約1.2kg | 通気◎・軽量設計・ハーネスが体にフィット |
NEMO パーシスト30L | 30L | 約1.45kg | 女性向けモデルあり・体へのフィット感が良い |
そして、忘れてはいけないのが「レインカバー」の存在。
どんなに高性能なザックでも、雨に濡れて中身がびしょ濡れになるのは避けたいですよね。
レインカバーはザックのサイズに合ったものを必ず携帯し、雨が降りそうなときは早めに装着してください。
また、レインカバーは地面とのスレによる摩耗を防ぐ役割もあるんです。
富士山の登山道は、ザラザラした溶岩や石で覆われています。
ザックをちょっと置いただけでも、底が傷む可能性があるので、休憩時も装着しておくと安心です。

⑥水分補給と行動食は十分に
富士登山では、標高が上がるごとに空気が乾燥し、体から水分がどんどん失われていきます。
それに加え、登りの運動で汗もかくため、こまめな水分補給がとても大切なんです。
ただし、ここで注意したいのが「飲み過ぎ」。
たくさん飲んだ方がいいと思われがちですが、実は摂りすぎも良くないんです。
特に女性にとっては、山小屋や途中のトイレが少ない(しかも有料・混雑する)という事情があります。
そのため、計画的に「少しずつ、こまめに」飲むスタイルが理想的。
のどが渇いてからでは遅いので、10〜15分ごとに一口、を意識するとちょうどよいバランスになります。
持っていく水分は、1.0〜1.5リットルが目安です。
ミネラルウォーターとスポーツドリンクを半々に持っていくと、電解質も補えて◎。
山小屋でも飲み物は買えますが、標高が上がるほど値段も高くなるので、できる限り持参するのが経済的です。
行動食も、登山中の体力維持に欠かせません。
疲れてから食べようとすると、胃が受けつけないこともあるため、空腹を感じる前に少しずつ補給するのがコツ。
カロリーが高く、すぐにエネルギーになる食品がベストですが、そこに美味しさと楽しさが加わると、ぐっと満足度が上がるんですよ。
そこでおすすめなのが──
【行動食おすすめリスト】
食品 | 特徴 |
---|---|
チョコレート | 高カロリー・即効性◎・疲労時に甘さが嬉しい |
ナッツ類(くるみ、アーモンドなど) | ミネラル豊富・腹持ちが良い・無塩がベター |
ドライフルーツ(プルーン・マンゴー・イチジクなど) | 自然な甘み・食物繊維豊富・鉄分補給にも◎ |
クッキーやビスケット | 砕けにくく保存性が高い |
塩タブレット・梅干し | 汗で失った塩分の補給に |
特にドライフルーツやプルーンは、自然な甘さと酸味で食べやすく、鉄分・カリウム・ビタミン類も含まれているため、女性には特におすすめ。
筆者の登山仲間でもとても人気で、分け合って食べるとちょっとしたご褒美のような楽しさもありました。
プルーンは疲れて食欲が落ちたときにも喉を通りやすく、しかもコンパクトで荷物にならないので、本当に便利なんです。
袋ごと持っていって、ザックのサイドポケットに忍ばせておくとすぐ取り出せますよ。
ちなみに行動食は、汗や気温で溶けたりベタついたりしないよう、小分けにラップして持っていくのが◎。
ごみは必ず自分で持ち帰るのが富士登山のルールなので、チャック付きのビニール袋なども一緒に持参してくださいね。
⑦地図と小銭も忘れずに
富士山の登山道は一本道のように見えて、実はルートが複雑な場所もあります。
地図アプリも便利ですが、バッテリーが切れたときのために紙の登山地図を持っておくと安心です。
方位磁石があると、ガスがかかったときの進路確認にも使えます。
また、山小屋やトイレは有料の場所も多いので、現金(特に100円玉)を用意しておくこともお忘れなく。
クレジットカードが使えないところも多いので、1,000円札も数枚持っておくと便利ですよ。
富士山登山初心者向けの装備チェックリスト
①ゲイターやストックで歩行を快適に
富士山の登山で「一番つらかったのは下山道だった」と感じる人、実はとても多いです。
筆者もそのひとりでした。
登りではまだ景色も新鮮で、テンションも保ちやすいのですが、下山に入った途端──ひたすらの砂利道、急な傾斜、止まらない砂の流れ。
途中から太ももがガクガク震えて、膝が笑い、足元を取られて何度も転びそうになりました。
そう、富士山の下山道には「砂走り」と呼ばれる場所があり、ここがとにかく厄介なんです。
乾いた火山砂利が靴の中に容赦なく入り込み、歩けば滑る、止まればズボッと沈む。
この砂地対策として大活躍したのが、ゲイター(スパッツ)。
足首からスネまでをしっかり覆ってくれるため、小石や砂の侵入を完全に防いでくれます。
履いていなかった仲間は途中で何度も靴を脱ぎ、砂を出しては履き直すという作業を繰り返していました。
登山靴に直接砂が入り込むと、足裏が擦れて痛みの原因にもなりますし、最悪の場合、靴ズレやマメにつながります。
ゲイターは本当に「疲れを減らす神アイテム」なんです。
そしてもう一つ、登山用ストック(トレッキングポール)も下山では欠かせません。
特に下りでは、膝や腰への負担が登りの数倍にもなります。
ストックがあるだけで、重心を安定させながら進めるので、足への衝撃がかなり軽減されるんですよ。
ダブルストック(2本)ならさらにバランスがとりやすく、滑りやすい斜面でもふらつきにくくなります。
収納式・折りたたみ式のタイプなら、使わないときはザックに簡単に固定できて邪魔になりません。
使う際には、先端のゴムキャップを必ず装着しましょう。
環境への配慮だけでなく、ザラザラした溶岩の上でも安定感が増します。
富士山の登山は、登りよりもむしろ「下山こそが本番」といえるかもしれません。
膝が笑うあの感覚、想像以上ですよ。
だからこそ、ゲイターとストックはぜひ準備してほしい装備なんです。
▼まとめ:下山対策として準備したい持ち物リスト
- ゲイター(スパッツ):足首から小石・砂をシャットアウト
- トレッキングポール(ストック):膝・腰の負担軽減、バランス安定
- ゴムキャップ付きストック:地面への衝撃を吸収し滑りにくく
- 収納式または折りたたみ式のストック:携行しやすくザックに装着可
- 靴擦れ予防のための靴下 or テーピング(必要に応じて)
②サングラス・日焼け止めで紫外線対策
富士山は森林限界を超えると、視界を遮るものがなくなります。
太陽の光が容赦なく降り注ぎ、標高が高くなるにつれて紫外線の量もどんどん増えていくんです。
地上と比べて、標高が1000m上がるごとに紫外線量は約10〜12%増加すると言われています。
つまり、富士山の山頂(標高3776m)では、平地の約1.5倍以上の紫外線を浴びることになるということ。
そのため、紫外線対策は必須装備のひとつになります。
まず持っておきたいのがサングラス。
レンズの色が濃ければOKというわけではなく、しっかりUVカット加工が施されているもの(UV400、紫外線99%以上カット)を選んでください。
レンズの形は、顔にフィットして横からの光も防げるカーブが強めのものがおすすめです。
そしてもうひとつ、登山に欠かせないのが日焼け止め。
汗をかいたり風に当たったりする登山では、すぐに落ちてしまうので、ウォータープルーフタイプでSPF50+・PA++++の高性能なものを選びましょう。
特に焼けやすいのは──
- 顔
- 首の後ろ
- 耳の裏
- 手の甲
など。
意外と塗り忘れがちな箇所をしっかりカバーするようにしましょう。
こまめな塗り直しも大切です。
▼まとめ:紫外線対策のための持ち物リスト
予備の小型日焼け止め:塗り直し用に便利
UVカットサングラス(UV400以上):紫外線から目を守る
高性能日焼け止め(SPF50+・PA++++):顔・首・手を保護
リップクリーム(UVカット付き):唇の日焼け防止に
首に巻けるタオルやネックガード:日差しを防ぎ、汗も拭ける
③携帯トイレ・ティッシュ・ゴミ袋も必須
富士山では、どこでもトイレに行けるわけではありません。
山小屋に設置されたトイレしか使えないうえ、数が少なく、行列や混雑が避けられないのが現実です。
しかも有料(1回200円程度)という点も、地味に気をつけておきたいポイント。
だからこそ持っておきたいのが携帯トイレです。
特に混雑する時間帯や緊急時、山小屋の手前で体調が悪くなった時などに、本当に助けられるアイテムなんです。
最近の携帯トイレは、開いて座るだけで使えるタイプや、凝固剤で臭いを防げるタイプも多く、使いやすさがどんどん進化しています。
使用後は密封して持ち帰る構造になっており、周囲に迷惑をかけることなく処理できます。
携帯トイレは、登山用ザックのすぐ取り出せるポケットに入れておくのがコツです。
そしてティッシュやウェットシートも欠かせません。
トイレ使用時はもちろん、食事の前後や汗を拭くとき、ちょっとした手当てにも使えます。
必ず防水性のある袋(ジップロックなど)に入れて持ち運びましょう。
もうひとつ、ゴミ袋の用意も忘れずに。
富士山では、自分の出したゴミはすべて持ち帰るのがルールです。
使用済みのティッシュ、食べ物の包装、飲み物のボトルなど、まとめて入れられるような中〜大サイズの袋を1〜2枚準備しておきましょう。
透明袋よりも、不透明な袋の方が気持ち的にも使いやすいかもしれません。
▼まとめ:トイレ・衛生対策のための持ち物リスト
- 携帯トイレ(凝固剤付き):混雑時・緊急時の強い味方
- ポケットティッシュ(防水袋入り):トイレ・食事・汗ふきに
- ウェットティッシュまたは除菌シート:手や道具の衛生管理に
- ジップロックなどの防水袋:ティッシュ類を濡らさず保管
- ゴミ袋(不透明タイプが◎):使用済みゴミの持ち帰り用
- 小銭(100円・10円):山小屋トイレの利用に必要
④防水バッグやジップ袋で小物の保護
富士山では、急な天候の変化が当たり前のように起こります。
晴れていたかと思えば、数分後には濃霧や小雨、そして突風が吹いてくることも珍しくありません。
そんな環境下で大切な持ち物を守るためには、防水対策が絶対に必要なんです。
ザックにはレインカバーをかけていても、内部で小物が濡れてしまうケースが意外と多いんですよね。
だからこそおすすめしたいのが、防水バッグやジップ付きの保存袋(ジップロックなど)の活用。
これらを使えば、衣類や電子機器、行動食などを水から守るだけでなく、中身を小分けできるので整理整頓にも便利です。
パッキングがしっかりできていると、登山中に必要なものをすぐ取り出せるようになるし、ザックの中も無駄な空間が減って軽く感じるんですよ。
たとえば──
- 電子機器(スマホ・モバイルバッテリー)
- 着替えの下着や靴下
- 食べ物や行動食
- 薬や絆創膏などの救急用品
これらをカテゴリごとにジップ袋に入れてまとめておくと、いざという時に本当に助かります。
さらに、使い終わったゴミや濡れたものを一時的にしまう袋としても便利。
使い捨ての安価なものでも十分なので、数枚持っていって損はありません。
⑤耳栓やアイマスクで山小屋の睡眠対策
富士山の山小屋は、いわゆる「相部屋の雑魚寝スタイル」。
1つの布団を2人でシェア、もしくは隣と布団がぎゅうぎゅう詰め、というのも珍しくありません。
壁がないどころか、プライベート空間もまったくなし。
この環境で睡眠をとるには、ちょっとした工夫がとても大事なんです。
特に気になるのが──
- 隣の人のいびき
- 深夜の出発準備のガサゴソ音
- 携帯の着信音やヘッドライトの光
といった「人の生活音」や「光」です。
実際、初めて山小屋に泊まった時、「これは眠れないかも…」と感じたのを今でも覚えています。
でも、耳栓とアイマスクを使っただけで、想像以上に快適に休めたんですよね。
耳栓は、なるべく遮音性の高いタイプを選ぶと効果的。
ただし、登山口で売っている簡易なものでも十分に役立ちます。
アイマスクは、目にフィットしてずれにくいタイプがベター。
深夜にご来光目当てで出発する登山者が多く、ヘッドライトの光が顔に当たることがよくあるので、これがあるかないかで眠りの質が変わります。
あわせて、のどの乾燥防止のためのマスクや、手足の冷え対策に小さなブランケットなどを準備しておくと、安心して休めますよ。
▼まとめ:山小屋での快眠対策グッズリスト
- 耳栓(遮音タイプ):いびきや物音をカット
- アイマスク(立体・フィット型):光を遮り熟睡をサポート
- のど潤すためのマスク:空気の乾燥対策に
- 小さめの速乾タオルやブランケット:寝具の補助や保温用に
- ネックピロー(空気式):首が疲れない体勢で眠れる
- 洗面用具(歯ブラシ・洗顔シートなど):睡眠前後のリフレッシュに
⑥スマホのモバイルバッテリーも必ず
今や登山中のスマートフォンは、ただのカメラやSNS端末ではありません。
天気予報のチェック、GPS地図アプリでのルート確認、山小屋の予約や連絡手段、そしていざという時の緊急通報。
つまり、スマホは登山者の命綱のひとつといっても過言ではない存在です。
だからこそ、モバイルバッテリーを必ず持参することが大切なんです。
標高が高い富士山では、スマホが自動で電波を探し続けることで通常よりもバッテリーの消耗が早くなる傾向があります。
さらに、気温が低いとバッテリー性能が落ちるため、残量が急に減って電源が落ちる、なんてことも。
そんなトラブルを防ぐために、モバイルバッテリーは容量と軽さのバランスが重要です。
おすすめは──
- 5000〜10000mAh程度の容量
- 重さ150g以内
- 信頼できるメーカー(Anker、cheero、Belkinなど)
- 2ポート以上あると仲間と共有も可能
バッテリー本体だけでなく、充電ケーブルの忘れ物も要注意です。
スマホと同じ端子(USB-C、Lightningなど)であるか、事前に確認を。
また、バッテリーをザックの奥に入れておくと、寒さで性能が落ちることもあるので、身体に近いポケットに収納して保温するのもひとつの工夫です。
さらに、使わない時間帯は機内モードにする・画面の明るさを下げるなどで、電力消費を最小限に抑えるようにすると安心です。
▼まとめ:富士山登山でのスマホ運用アイテムリスト
- モバイルバッテリー(5000〜10000mAh):予備電源として必携
- 充電ケーブル(スマホ対応端子):本体とセットで持参
- スマホ用防水ケース or 防水袋:雨・汗・落下防止対策
- スマホ本体の保温袋(タオルやポーチ):寒冷時の電池持ち改善に
- 機内モード設定の習慣:バッテリーの節約に
- 予備の小型バッテリー(軽量タイプ):緊急用として1つ追加

⑦粉じん・砂ぼこり対策は地味だけど超重要
富士山の下山道を歩いたことがある人なら、誰もが感じるはず──
火山砂と砂ぼこりのすごさ。
乾いた地面を数百人が連なって歩くと、細かい灰が舞い上がって、まるで白い霧の中を歩いているかのようになります。
これが鼻や喉に入ってむせたり、目に入って開けづらくなったり、意外と体にダメージが残るんですよね。
特に下山道の「砂走り」では、前を歩く人が蹴り上げた砂をずっと浴びながら進むことになります。
そんな環境だからこそ、防塵マスクやネックゲイター(バフ)があると安心。
ふだんの生活では気にならないレベルの砂でも、連続して吸い込んでしまうと喉に違和感を覚える人も多いです。
登山中は口呼吸になりやすいため、マスクやバフで口元を覆うだけでも、かなり楽になりますよ。
目の保護としては、サングラスがあると一石二鳥。
UV対策だけでなく、風や砂ぼこりからも目を守ってくれるんです。
また、強風の日や乾燥した時期には、ゴーグルタイプのアイウェアがあってもいいかもしれません。
⑧登山用ヘルメットは必要か?の見極めポイント
富士山は活火山であり、登山道を歩いている間も、火山活動の影響を完全に無視することはできません。
そのため、近年では一部の安全指針や防災資料で、登山用ヘルメットの携行が推奨されるケースも見られるようになっています。
しかしながら、実際の登山現場ではどうでしょうか?
答えは明確で、ヘルメットを着用している登山者は、全体のごくごく一部です。
筆者の実体験でも、数百人とすれ違った中で、ヘルメットをかぶっていたのはほんの1〜2人程度。
多くの登山者は、キャップやハットなどの帽子で日差しを防ぐ装備にとどめており、ヘルメットは「非常にまれなケース」と言えるのが現状です。
ではなぜ、必要性が語られるのでしょうか?
それは、富士山が「噴火の可能性を持つ山」だからです。
あくまで万が一の災害時に備えて、「あると安心」という考え方から推奨されている側面が大きいです。
また、落石リスクのある岩場の多い山とは違い、富士山は登山道が整備されており、落石の心配はかなり低めです。
そのため、登山スタイルや装備の選び方として、「必須」ではなく「個人の判断で検討」という位置づけが現実的です。
どうしても不安がある方や、防災意識を強く持ちたい方であれば、軽量のヘルメット(250g前後)をひとつ用意しておくのもいいでしょう。
最近は折りたためるタイプや、登山用ザックに簡単に外付けできる収納ケース付きのものもあります。
ただし、多くの場合は実際に使用することなく終わることも覚悟しておきましょう。
▼まとめ:ヘルメットの必要性を判断するポイント
- 落石リスクが少ないため、基本的には不要
- 着用している人はごく少数(キャップが主流)
- 火山活動への備えを意識するなら軽量タイプも検討
- 「安心感」を得たい人は携行してもOK
- 邪魔にならない収納法(外付け・折りたたみ)も重要
富士山登山初心者向けの装備チェックリスト
富士山に初めて登るとき、どんな装備をそろえればいいのか──迷いますよね。
登山経験がないと「これは必要?」「持ちすぎでは?」と悩んでしまうのも無理はありません。
ここでは、富士登山初心者のための必要装備を項目ごとに一覧にしてまとめました。
先に紹介した便利アイテムを整理しながら、「これは持って行こう!」という確認用にお使いください。
持ち物は、登山のスタイル(山小屋泊・日帰り・弾丸登山など)や季節によっても多少異なりますが、基本はこのリストでカバーできますよ。
▼衣類(基本のレイヤリング)
アイテム | 補足 |
---|---|
ベースレイヤー(速乾性インナー) | 綿はNG。化繊・ウール素材推奨 |
ミドルレイヤー(フリース等) | 寒暖調整に便利 |
アウター(防水ジャケット) | レインウェア兼用でもOK |
登山パンツ(ストレッチ・速乾) | ジーンズは不可 |
レインウェア上下(セパレート式) | 強風・雨対策に必須 |
帽子(キャップやハット) | 日焼け・熱中症予防 |
手袋(防寒・日焼け対策) | 夏でも山頂は冷えることあり |
替えの靴下・インナー | 汗対策・下山時の快適さ向上 |
▼登山靴・歩行サポート
アイテム | 補足 |
---|---|
登山靴(ミッドカット以上) | 防水・グリップ力が重要 |
ゲイター(スパッツ) | 砂・石の侵入を防ぐ |
トレッキングポール(ストック) | 膝・腰への負担軽減 |
靴擦れ対策グッズ | 絆創膏・テーピングなど |
▼ザック・収納関連
アイテム | 補足 |
---|---|
登山用ザック(30L前後) | 背面パッド・チェストバンド付き |
レインカバー | ザックを雨から守る |
ジップロック/防水バッグ | 小物整理と防水に |
スタッフバッグ | 衣類や行動食の整理に |
ゴミ袋 | ゴミは必ず持ち帰る |
▼体調・安全管理
アイテム | 補足 |
---|---|
ヘッドランプ(200~300ルーメン) | ご来光登山に必須 |
予備電池・充電ケーブル | 長時間使用に備える |
モバイルバッテリー(5000mAh以上) | スマホ電源の確保に |
救急セット | 絆創膏・痛み止めなど基本を |
携帯トイレ | トイレ混雑・緊急時に重宝 |
ポケットティッシュ・ウェットシート | 衛生管理に必須 |
飲料水(1.5〜2L) | こまめに分けて飲む計画を |
行動食・軽食 | ナッツ・ドライフルーツなど推奨 |
日焼け止め(SPF50+) | 高山は紫外線が強い |
サングラス(UVカット) | 目の保護にも有効 |
マスク・バフ | 砂ぼこり・乾燥・寒さ対策に |
▼任意・状況に応じて
アイテム | 備考 |
---|---|
耳栓・アイマスク | 山小屋での快眠サポート |
携帯座布団・エマージェンシーシート | 休憩時・緊急時に便利 |
地図アプリ or 登山用GPS | 道迷い防止に(事前DL) |
小銭(100円玉多め) | トイレ利用・山小屋での支払い用 |
ヘルメット | 安心材料として必要なら検討 |
このチェックリストをもとに装備をそろえておけば、初めての富士登山でも安心して挑める準備が整うはずです。
富士山登山で初心者の装備を整えるための総まとめ
富士山登山で初心者の装備をそろえる際は、基本の登山靴やザックに加えて、天候や環境に対応する便利アイテムも忘れずに用意することが大切です。
紫外線対策やトイレの準備、山小屋での快眠グッズ、そしてスマホのバッテリーなど、実際に「持って行って良かった」と感じたものを優先しましょう。
また、粉じんや乾燥への対策は地味に思えても、体力消耗を抑えるうえで非常に重要です。
この記事では、富士山登山で初心者の装備として本当に必要なものを厳選して紹介しました。
装備リストを活用して、忘れ物なく安心して富士登山に挑んでください。
最新の気象情報や登山規制などは、富士登山オフィシャルサイト もあわせて確認しておくと安心です。
コメント