テレビや映画、舞台で活躍する俳優さんたち。彼らの様に俳優として活躍するにはどうすれば良いのでしょうか。
日本の芸能界における俳優という職業についてお話ししてみたいと思います。
俳優の卵
西神田マネージャー
目次
日本の芸能界においての俳優とは?
まず、俳優とは演劇・映画などに出演することを業とする人です。
・役者は単にお芝居をする人のこと
・俳優はお芝居を職業としている人のこと
当たり前のところからスタートしますが。一般的な職業の人たちとは異なり、俳優業は自由業になりますので、会社員や公務員の様に毎月、必ず同じお給料がもらえる職業ではありません。
俳優業とは言いますが、日本では職業であるという認識は極めて低い職業ではないでしょうか。
それを前提に俳優業というのは。。。
これ、極論ですが実際に「僕は俳優です」と言ってしまえば俳優なんです。
小劇場で舞台出演をし続けて、生活できなくても俳優です。
しかし、多くの方が目指すところは、生活が出来て知名度も欲しい。そんな俳優さんを目指していらっしゃると思います。
現実は「俳優です」と名乗ってもほとんどの人は納得してくれません。
思ってくれたところで「夢追い人」です。
夢があっていいね!頑張ってね!応援してるよ!と言ってくれる方は確かに多いです。
では、どうしたら、納得してもらえるでしょうか?
答えは全国区で有名になる事です。
日本では有名でなければ職業としての俳優と思ってもらえることは、なかなかありません。
自称・俳優になってしまいます。
俳優=テレビや映画で観たことある人 でなければ認めてもらえないのが現実です。多くの方の感覚はそういった感じでしょう。
余談ですが、あなたが無名の俳優で交通事故を起こしてニュースになったら間違いなく自称俳優の○○さんです。
一方、例に名前をお借りしますが、菅田将暉さんが事故を起こしたら俳優の菅田将暉さんと報道されます。
日本の俳優さんの現状はこの様なものです。
立派に俳優活動をやっていれば有名無名関係なく「俳優」ななずなのですけどね。もっと認めてもらっても良いと思います。
これは日本に限ったことではないでしょうが、人気商売である以上仕方がないことかも知れません。
日本のエンターテイメントは圧倒的にテレビ!
日本での娯楽はテレビの圧勝です。
今はインターネットでも娯楽を楽しめますが、影響力も含めテレビが優位です。
テレビは民放であれば無料で観れるので、気軽に楽しめます。それも一つの理由ですね。
日本国民は劇場や映画館に足を運ぶ方が他のエンターテイメント先進国に比べ少ないです。
昨今ではゲームやアニメが娯楽の主体になり、映画や舞台にしてもアニメが原作である作品ばかりが作られています。
その様な作品には基本的に原作のファンしか集まらない状況が生まれます。
それでも興行的に成功するのは、アニメのファンが圧倒的に多いということです。
当然、映画やテレビの作品には企業スポンサーが関わって来るので、利益の見込める作品になってきます。
そうなると、どうしてもヒットした小説やアニメの映画化など、原作ありきのもので既にファンが獲得できている作品ばかりになってしまいます。
もちろん、それ以外のオリジナルの作品で興行的に成功する作品はありますが、ジブリ作品など限られたものになっていると思います。
日本映画のドラマのオリジナル作品に至ってはほとんど思い浮かばないのが現状ではないでしょうか。
アニメや漫画のファンであればテレビや単行本で済みます。
それらが映画化や舞台化されれば劇場に行きますが、そうでなければ外に出てエンターテイメントを楽しむことは
少ないと思います。
またはテレビで活躍するアイドルが主演の作品ならば観に行く人もいるでしょう。
もちろん、日本映画(オリジナル)ファンや演劇ファンというのも一定数います。そのファンが応援してくれる事により、テレビに出ていない俳優でも一部の人は活動を続けられているというのも事実です。
俳優として生活するにはお芝居以外の仕事もやる必要がある
演劇の活動とお金を稼ぐという事は別の事なのですが、職業として考えるのであれば、切り離せない事でもあります。
日本の俳優はテレビ界やCMに進出して行かなければ、お金はなかなか稼げないのが現状です。出演料が以前に比べて安くなっていると言うこともあります。
日本映画や演劇を観る方が少ない日本では俳優はお芝居だけをやっていて生活できるほどの仕事ではありません。
俳優になって大きく稼ぎたいのであれば、CMの契約やバラエティ番組、クイズ番組などへの進出がなければ
難しいのではないでしょうか。
あなたが知らない一流の俳優たち
誰もが知る名前ではないのに演劇でお金を稼いでいる俳優さんがいるのは知っていますでしょうか?
例えば、劇団四季でライオンキングの主演を務めている方。
もし、あなたが街でその方に会ってもきっと顔は分からないでしょう。
自己紹介で俳優ですと言われても。「??」ではないでしょうか。
しかし、その方は沢山の俳優の中から勝ち抜いて主役の座にいるすごい方で、技術も体力も一流アスリート並みですし、歌もダンスも一流です。
この様な俳優だけで生活していている方でも俳優とはなかなか認めてもらえないのです。
もちろん、ライオンキングの主演ですと説明したら、状況はガラッと変わりますけどね(笑)
この様に俳優個人に全国的な知名度はないが、職業として成立しているというケースも多々あります。
有名俳優への道のり
現在、名前を聞けば分かる俳優さんは数多くいますが、その方達はどの様にして有名になったのでしょうか?
すでにお分かりかと思いますが、テレビ界やCMへの進出です。
例を出しますと。
阿部サダヲさん
現在、コミカルなキャラクターでドラマの主演をするほどの方ですが、みなさんはこの方を知ったのはドラマがきっかけではないでしょうか?
阿部サダヲさんは大人計画という劇団で舞台の活動を続けていた方なのです。大人計画は演劇の世界ではとても有名な劇団なので演劇ファンでは知らない人はいない俳優さんです。
しかし、テレビ進出前は知らない方の方が多かったのです。
その世界では超有名。
しかし、一般的にはあまり知られていませんでした。
テレビ出演→俳優として認知→仕事の幅が広がる(CM、雑誌など)→俳優として生活できる
この流れが現代では俳優の成功となっています。
当然、全ての方が収入を得るためだけに俳優をやっているわけではありませんが、俳優で生活していくためにはこの流れがなければ、他に違う業種の副業をする事になってしまいます。
映画や舞台だけやっても一部の方をを除いてはほとんど食べていく事はできないのです。
また、すぐにテレビや雑誌、CM、バラエティー番組で活躍できるわけでもありません。
長い道のりがあります。
これからの日本のエンターテイメント
昔、日本映画も黄金期があり、映画からスターが生まれ富と名声を得た人が沢山いました。
テレビが普及して徐々に娯楽がテレビへ移行して行きました。
時代ごとに娯楽の楽しみ方も変化しています。今ではインターネットが普及し動画サイトが数多くあります。
そこでは一般の方が様々な表現をしており、ジャンル問わず有名人が生まれています。
今後は一つの職業にとらわれない方が活躍して行く事になる様に思います。
結局俳優として認められ、職業として行くには映画界や演劇界だけで活躍するのではなく、多くの方が視聴するテレビやネットの世界に進出していくことも考えていかなければなりません。
テレビやインターネットが悪いのでは決してありませんが、俳優にとって表現する場所も多様化して来るのではないでしょうか?
また、演技のスキルだけでは生き残っていけない事もあるかも知れません。
最後に
現在の日本の俳優は活動の場が以前より少なくなってきている様に思います。
本来俳優ではない人のドラマ出演や俳優を必要としない作品が増えていることや同じ俳優ばかりを起用する傾向があります。
そんな中で本当の俳優が活躍するためには日本のエンターテイメント自体が変わらなければならないのかも知れません。
ただ、世界を変える事はなかなかできません。厳しい現状の中で自分がブレずに決めた道を進んでいく覚悟も必要です。
俳優をされている方は必ずしも一攫千金を狙っているわけではありません。純粋に映画や演劇が好きで活動している人がほとんどです。
そのような方が監督やプロデューサーの目にとまり、チャンスを掴み、結果的にテレビ界で活躍しているという事もあります。
ちなみに、私の知る限り、有名になりたいという理由だけで俳優を始める人はすぐ辞めますw