伊勢神宮は全部で125の宮社があるとても大きな神社であり、旅行会社でも伊勢神宮の参拝ツアーが行われている日本屈指の観光地ですね。
そんなツアー旅行で伊勢神宮への参拝予定でありながら、身内に不幸がおこってしまった場合、参拝はしてもよいのか悩む方もいらっしゃいます。
ツアー旅行であれば、手続きが済んでしまっていたらキャンセル料がかかってしまったり、友達と伊勢の観光旅行で周りに迷惑をかけたりと色々問題が生じてきますよね。
今回は、喪中に伊勢神宮を参拝することについてまとめてみました。
・喪中に伊勢神宮参拝してはダメかどうか。
・喪中と忌中について。
・喪中に伊勢神宮に行く場合どうすればよいか。
・忌中の場合はどうすればよいか。
など、詳しく解説していきます。
目次
喪中に伊勢神宮参拝してはダメ?
喪中とは故人が亡くなってからおよそ一年間のことを言いますね。
結論から言うと喪中に伊勢神宮の参拝をしても大丈夫ですが、参拝を控えたほうが良い期間があります。
それは忌中と呼ばれる期間です。
一般的には神社への参拝は「忌中(きちゅう)」の期間は控えるべきと言われています。
「忌中」の期間は、
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・仏教(お寺)では35日または49日間。
・神道(神社)では最長50日間。
※故人との関係により期間はかわります。
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となっていますので、神社である伊勢神宮への参拝は故人が亡くなって50日間は参拝を控えたほうがよいでしょう。
もし、亡くなられてから50日過ぎているのであれば、「喪中(もちゅう)」の期間であっても参拝することができます。
「忌中」と「喪中」で混乱している方もいらっしゃるかもしれませんので、それぞれについて解説していきますね。
喪中と忌中の違い
「喪中(もちゅう)」とは?
穢れ(けがれ)、つまり気が枯れいる状態から回復をするまでの期間。
簡単にいうと大切な人を失ったショックから立ち直って通常の生活に戻るまでの期間ということです。
<喪中の期間>
約1年間(正確には13ヶ月)
しかし、いつまでも悲しみを引きずっているわけにはいきません。回復の期間であるので、少しずつ通常の生活をとりもどしていく期間と考えましょう。神社への参拝も忌中が過ぎた喪中期間なら大丈夫です。
「忌中(きちゅう)」とは?
亡くなった人を偲ぶことに専念する期間。
亡くなった人との思い出を噛み締め、懐かしむ期間、亡くなった人を思う期間です。
そのため、慶事や式典、お祭りやお祝いごとなどへの出席、神社への参拝は控えるという考えがあります。
神道では死というものを「穢れ(けがれ)」とうけとり、神様の前に穢を持ち込んではいけないという解釈から忌中に神社への参拝をさけるようになりました。
ここでいう神道の「穢れ」とは「気枯れ」という意味でもあり、身近な人の死に直面したことで悲しみ、気力をなくす=気が枯れてしまうということで、その様な状態で神様に参拝に行くのは望ましくないという考えから忌中は控えるよう言われています。
<忌中の期間>
神道での忌中の期間は故人との関係によってかわります。
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父母・配偶者:50日間
祖父母:30日間
兄弟姉妹・こども・叔父叔母:20日間
孫:10日
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また、仏教では故人が亡くなってから三十五日法要、もしくは四十九日法要が行われると忌明けとされています。
いずれも亡くなった日から数えます。
喪中に伊勢神宮に行く場合は?
喪中であっても忌中の期間が終わっていれば、通常の生活に戻していく期間となるため伊勢神宮の参拝はしてもよいことになりますが、参拝するかしないかは後はその人の考え次第になります。
忌中が終わってもまだ気持ちの整理ができていない方にとっては、やはり参拝を控えたいという気持ちになります。その場合は無理をして伊勢神宮に入らなくても、伊勢観光のほうを楽しんでみるのもよいでしょう。
忌中の場合
忌中の間は故人を偲ぶ期間でもあり、神社に穢れ(けがれ)を持ち込まないということから伊勢神宮への参拝は避けておきましょう。
可能でしたら、旅行の行き先を変えるか、日にちを延期することで気兼ねなく旅行を楽しむことができるので、望ましいです。
もし、50日目が過ぎていない忌中に伊勢神宮の参拝が避けられない場合は、鳥居をくぐらず避けて通るという方法をとる場合もありますが、鳥居は神様の領域に入る唯一の入口のような場所なので、それをくぐらず入るのは神様に対して失礼であるとも言えます。
別の方法として、神社に入る前に神職の方によるお祓いを受ける方法があります。神社に入る前に神職の方にお祓いを受ければ通常通り参拝することができます。
もし、可能でしたら伊勢神宮のほうに問合わせて忌中の参拝であることをお伝えして、お祓いができるかどうか聞いてみるのもよいかもしれません。
伊勢神宮周辺を楽しむ
伊勢神宮周辺は伊勢ならではの趣のある町並みや風景がひろがっているので、伊勢神宮の参拝の代わりにのんびり散歩をひながら観光を楽しむのもよいでしょう。
内宮入口の「宇治橋前」まで続いている「おはらい町」は美しい石畳の通りがあり、飲食店やお土産屋さんなどレトロな建物が建ち並んでいます。
町並みはまるで江戸時代にタイムスリップしたような昔ながらの雰囲気を楽しむことができます。
「おはらい町」の通りの途中に「おかげ横丁」という観光スポットがあり、観光客に人気となっています。
おかげ横丁は江戸時代~明治時代の伊勢の商店街をイメージさせるような建築物が再現されており、食べ物屋やおみやげ屋、立体展示と映像で日本神話を体感できる「おかげ座神話の館」などがあります。
友人が伊勢神宮参拝中に周辺を一人でのんびり散策するのも楽しいですよ。
友人との伊勢観光となると自分だけ伊勢神宮の中に入らないというのは気を使わせてしまいますが、やむを得ない事情なので、忌中であることの説明をきちんとしておくことが重要です。
いっしょに観光する友人に理解をしてもらった上で、お互い気持ちよく観光できるようにつとめましょう。
まとめ
今回は喪中に伊勢神宮を参拝してもよいかどうかについて詳しく解説してきました。
伊勢神宮への参拝は忌中(故人が亡くなった日から50日間)は参拝を控え、忌中を過ぎたら喪中の期間中(故人が亡くなった日から1年間)であっても参拝をすることができます。
しかし忌中が終わったとしても、故人の死について自分自身の気持ちが整理できていない場合は無理に参拝する必要はありません。神様は気が枯れた状態(気力が弱まっている状態)で参拝にくることを望んでいませんので、気力が回復してから参拝に行くことが大切です。
忌中の間はやはり個人を偲ぶことに専念し、伊勢神宮に自分自身の「穢れ(気の枯れ)」を持ち込まないようにするためにも、参拝をさけましょう。
忌中期間中にツアー旅行や友人との観光旅行でキャンセルするのが難しい場合は忌中であることを伝え、伊勢神宮の神域には足を踏み入れず、周辺の観光を楽しむ方法がおすすめです。
昔から続いている習わしには共に生活していく周りの人を思いやるための礼儀、マナーとしての役割もあると言えます。今回の忌中の参拝を避けるという習わしは神様に対する礼儀、マナーでもあると考えるとどう対応すべきかがみえてくるはずです。
そのことを踏まえて、喪中の伊勢神宮の参拝を一度ご自分でも考えてみてくださいね。